2013年10月3日木曜日

伊勢神宮式年遷宮(しきねんせんぐう)(2)


 出典:財団法人 伊勢神宮式年遷宮奉賛会 

 『伊勢神宮』

○式年遷宮(しきねんせんぐう)って何のことですか

  遷宮とは新しいお宮を造って大御神にお遷りを願うことで、

  式年とは二十年ごとに定められた年を意味します。

  伊勢の神宮には内宮・外宮ともそれぞれ東と西に同じ広さの敷地があり、

  二十年ごとに同じ形の社殿を新しく造り替えます。

  また神様の御装束・神宝も新しくし、

  大御神に新殿へお遷りいただくお祭りが式年遷宮です。

  なお神宮には両宮のほかに十四の別宮があり、

  これらのお宮も新しく造り替えられます。

  式年遷宮は、日本で最大最高のお祭りです。


 ○大昔からつづいているのですか

  式年遷宮の制度は、

  今から約千三百年前に天武天皇がお定めになり、

  次の持統天皇の四年(六九○)に第一回目が行われました。

  長い歴史の間には一時の中断(戦国時代)はあったものの、

  これまで二十年に一度繰り返し執り行われてきました。

  そしていよいよ平成二十五年秋には

  第六十二回目のご遷宮が古式のままに斎行されます。


 ○どうして二十年ですか

  なぜ二十年かという定説はありませんが、

  その理由はいろいろ推定されます。

  まず二十年というのは

  人生の一つの区切りとして考えられるでしょう。

  また、技術を伝承するためにも合理的な年数とされていますし、

  掘立柱に萱の屋根という素木造りの神宮の社殿の尊厳さを

  保っためにもふさわしいとされています。

  他にも中国の暦学から伝わったという説などいろいろありますが、

  それよりも大切なのは二十年に一度造り替えられた、

  常に新しくみずみずしいご神殿で永遠に変わらぬお祭りが

  執り行われるところに大きな意義があると思います。


 ○現在の建築技術からすれば二十年ではなんだか勿体ないですね

  確かに今の建築技術からすれば勿体ないように思われますが、

  神宮の式年遷宮は建築物の朽損が理由ではありません。

  この制度が定められたとき、もう奈良の法隆寺は建てられていました。

  法隆寺は現存する世界最古の木造建築です。

  当時の技術で立派に永久的な社殿はできたはずです。

  しかし、神宮の「唯一神明造」は、

  いつでも新しく、いつまでも変わらぬ姿を求めて、

  二十年に一度造り替えることにより永遠をめざしたのです。

  世界中には永遠をめざした石造の古代神殿がいくつもありますが、

  世界の建築家や文化学者が

  「伊勢は世界の建築の王座だ」と絶賛します。

  それは、原初のスタイルがいつまでも、どの時代にも存在し、

  今も昔も変わらぬまま毎日お祭りがなされているからです。

  二十年に一度生まれかわるという発想、

  これは世界のどの国にも見られないものです。

  しかも、伊勢の神宮が新しくなることで、

  大御神の、

  より新しい御光をいただき、

  日本の国のイノチを新鮮にし、

  そして、

  日本全体が若返り、

  さらに永遠の発展を祈るのです。

  二十年に一度だからこそ

  技術も精神も確実に伝わるというところに

  やはり意義があると思います。


 ○第六十二回式年遷宮主要諸祭と行事の予定一覧

  平成年・月       諸祭行事

  十七年 五月      山口祭(やまぐちさい)

      五月      木本祭(このもとさい)
 
      六月      御杣始祭(みそまはじめさい)

      九月      御船代祭(みふなしろさい)

  十八年 四月      木造始祭(こづくりはじめさい)

      五月~七月   御木曳行事・第一次(おきひきぎょうじ)

  十九年 五月~七月   御木曳行事・第二次(おきひきぎょうじ)
 
  二〇年 四月      鎮地祭(ちんちさい)

  二一年一一月      宇治橋渡始式(うじばしわたりはじめしき)

  二四年 三月      立柱祭(りつちゅうさい)

      三月      上棟祭(じょうとうさい)

  二五年 八月      御白石持行事(おしらいしもちぎょうじ)

      九月      杵築祭(こつきさい)

     一〇月      後鎮祭(ごちんさい)

     一〇月      川原大祓(かわらおおはらい)

     一〇月      遷御(せんぎょ)

     一〇月      奉幣(ほうへい)

     一〇月      御神楽(みかぐら)

 (財)伊勢神宮式年遷宮奉賛会

   (本部)〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-2-2 東商ビル内
       電話 03-3283-7048  FAX 03-3212-4180
   (第二業務部)〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-1-2 神社本庁内
       電話 03-3379-8012  FAX 03-3379-8299
                       (写真提供神宮司庁)

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