古代史ブログ講座
《古代史ブログ講座》銅鐸の古代名称が判明した
―その用途・機能・金属成分・製造地・発掘状況からの考察―
出典:歴史学講座「創世」 小嶋 秋彦
講師:歴史研究家 黒田 光一
銅鐸の古代呼称が判明した(6)
◎ 銅鐸は日本では約500個弱出土確認されている。
◎ 福田型銅鐸 全国中国地方 4個
広島市福田木 宗山遺跡
岡山市足守 上足守
鳥取県西部 伝伯耆
島根県出雲市 伝出雲
<特徴>
① 顔や眼が描いてある
② 真中に人が万歳(バンザイ)した図柄がある
③ 小鼻がふくらんだ目鼻が描いてある
※吉野ヶ里と同じ仲間の銅鐸である
(その他)
黄帯文、複合鋸歯文、黄帯文に綾杉文や、斜格子文がる。
黄帯文の間には渦巻文がる。
<九州出土の福田型> 鋳型が出土している
佐賀県鳥栖市 安永田遺跡
佐賀県鳥栖市 本行遺跡
福岡市 赤穂ノ浦遺跡
◎ 北部九州で製造⇒製品は中国地方に広まる
◎ 銅鐸は近畿地方を中心に分布しているが、
一番古いものは福田型銅鐸で九州で製造した。
↑佐原氏は反対 もっと古い銅鐸があると言った
弥生の前期末に近畿で作られた
京都府日向市 鶏冠井遺跡
鋳型の破片が出土。
土器が一緒に出土。
その土器は弥生の前期末から中期初めのものであった。
★ 一番古い銅鐸の原料は朝鮮半島南部で産出。
その後材料は中国から入手する。
★ 福田型銅鐸の鉛同位体を分析すると中国産の原料であった。
第4表 銅鐸の化学分析値
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分析値% 分析者 文献 分類
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銅鐸名 Cu Sn Pb 亀井 馬淵・平尾
(元素組成) (鉛同位体)
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泊 74.46 14.25 7.65 亀井 清 註(2) A α
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神於 75.9 12.5 5.92 山崎一雄 註(5) A α
(平均値)
──────────────────────────────────
神戸 83.84 7.62 7.63 近藤眞澄 註(14) B β
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倭文 85.88 3.49 8.89 亀井 清 註(2) B β
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栄根 90.87 4.17 4.27 近藤眞澄 註(13) C γ
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(伝)羽曳山* 87.91 4.52 3.38 亀井 清 註(2) C γ
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堂道 89.14 4.93 2.66 田辺義一 註(15) C γ
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*亀井論文では羽曳野となっている。
第11図 小銅鐸、銅鍑・中国鏡の鉛同位体比分布(A式図)
小銅鐸二個と銅鍑が近畿式・三遠式銅鐸(右上方の楕円形点線)と
同じ同位体比をとることに注意
★今まで同鏃をはじめ、
弥生時代の武器や兵器が大量に出土しているが
材質面の研究は少ない。
実戦の武器は「見かけ」ではない、
いかに優秀な機能を備えた武器を手にするかである。
有力部族は優秀な武器を作る工人集団を自ら抱えている。
常に最先端の武器の安定供給をめざしたに違いない。
特赦技能を持つ工人は特権扱いだったのだろうか。
工人集団自体が古代においては部族間の紛争の対象に成っていた。
参考文献②参照
『結論』
① 弥生時代に米作りと同時に金属器が日本に入って来た。
銅鐸は朝鮮式小銅鐸を改良、用途も日本では変化した。
元々家畜を使わない農業が変化させた。
② 銅鐸の発生は弥生の前期後半から中期後半と説が分かれる。
③ 青銅器を製作する技術者は王権とワンセットであった。
④ 王権と剣がポイントである。
剣を黄金色にして生血を捧げる征服した民への儀式として
捕虜の頚動脈を切る儀式に使われた。
⑤ 技術者は材料問屋とネットワークで繋がっていた。
そうでないと常勤専門技術者として仕事を続けられない。
⑥ 材料卸業者においては材料が届き
相手側が代金を払ってくれないと成立しない。
⑦ 王権側が資金と運送、技術者の生活を賄った。
⑧ 王権、運送業者(海運、陸運、防衛)、技術者、材料問屋と
四者がワンセットで成立していた。
⑨ 青銅器は剣がポイントであるが
銅鐸は王権から少し離れ各村々の要請に応じて作り
強い統一国家が生まれる前後に一斉に破棄されたものである。
その後の技術者は鉄器生産に従事させられたのであろう。
<参考文献>
① 日本の歴史 1 日本人の誕生 佐原眞 小学館
② 金・銀・銅の日本史 村上隆 岩波書店
③ 『展望日本歴史3 原始社会』石川日出志・小杉康編 東京堂出版
④ 考古学の最前線
-ここまでわかった日本列島-安蒜政雄・石川日出志 学生社
⑤ 出雲の銅鐸 佐原眞・春成秀爾 NHKBooks
⑥ 対論銅鐸 森浩一・石野博信 学生社
⑦ 歴史から消された邪馬台国の謎 豊田有恒 青春出版社
⑧ アッティラ大王とフン族 -<神の鞭>と呼ばれた男
カタリン・エッシェー ヤロスラフ・レベンスキー
銅鐸分布考
日本書紀の解明・・邪馬台国と大和王権
青銅器の鉛同位体比の秘密
新しく銅鐸出土地名表
銅鐸に伴う「舌」について
《参考》
ARPACHIYAH 1976
高床式神殿、牛頭、空白の布幕、幕と婦人、マルタ十字紋等
(アルパチア遺跡出土の碗形土器に描かれている)
牛頭を象った神社建築の棟飾部
本生図と踊子像のある石柱
Tell Arpachiyah (Iraq)
ハラフ期の土器について
ハブール川
ハブール川(ハブル川、カブル川、Khabur、Habor
、Habur、Chabur、アラム語:ܚܒܘܪ, クルド語:Çemê Xabûr, アラビア語:نهر الخابور Bahr al-Chabur
ARPACHIYAH 1976
高床式神殿
牛頭を象った神社建築の棟飾部
神社のルーツ
鳥居のルーツ
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