2013年11月14日木曜日
ミシャグチとソソウ神-4
『武蔵一宮:氷川神社』
Wikipedia:氷川神社
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武蔵一宮:氷川神社・境内案内
出典:「諏訪信仰の発生と展開」134頁
古部族研究会・永井出版企画
「穴巣始と外来霊」
『竪穴斎屋の原始性霊』
ミシャグチとソソウ神-4
後に検討するように萩組の座に
十二月二十三日に御左口神が導入されている。
この萩組の構造物を強調する時に、
「はきくみ」と呼び、
その構造物の中にある御左口神を強調する時に
「うたつの御左口神」と表現していると理解すれば、
疑問を解けるが、一応近くにある別の二つの施設と考えておく。
萩組の座は御室内西より棟柱をもち、前面の南と東の角に柱をたて、
背後に西北側にたてかけて両側に桁をもち
前面を萩のしなる枝で構んだ祠を想起する。
また、うたつの御左口神は西側の妻の部分を葦組でもって塞いだ
その前面に置かれたものであろう。
西奥側を御左口神としたのは、
小坂村の御頭屋敷が西側の二坪を御左口神の場にあてている点や、
御左口神を踏査された今井野菊氏が、
屋敷の西側に御左口神を祀っている点を指摘されているのを参考とした。
ここで、
何故「御左口神上波風、葦巣奉塞之事」(伝「信重解状」)としたか。
私は御左口神を、上空より降ろす時に、
葦という植物が一番より憑き易いと考えた古代人の思考を意味すると考える。
他の建物でみるならば、春の御立座神事の頭那の頭屋が参考になる。
天明四年の御頭規式帳に描かれた
小坂(おさか)村の御頭屋敷の平面図の西側の二坪を上座にあて、
この上座に御左口神を勧請したものであるが、
その天井を「よし」で葺いている。
又、後世最も重要な場となる大祝の内御魂殿の天井も
わざわざ守屋山中でとれた葦で葺いている。
天空より御左口神を憑けたものである。
建造物に限らず、大祝即位の時、三本の「ひいらぎ」の樹の下で
要石の上に葦を敷き、その上に少年が座り、大祝になる。
春の御頭祭に出現する御杖柱という神霊の降りる柱の下にも
わざわざ葦を敷いている。
これらを総合して考えると、
御左口神が上空より降りてくる磁場として葦という植物を
最良のものと考えたものであろう。
図:小坂村御頭屋平面図(『諏訪史』第二巻より)
『諏訪史』第二巻
小坂村御頭屋平面図
諏訪社の祭祀と仮家
《参考》
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