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『日本創世紀』:倭人の来歴と邪馬台国の時代小嶋秋彦
※出典:『日本創世記』著者「小嶋秋彦」:20~22頁
倭人と東夷の原像
―和人〔倭人〕はシナ大陸を最初に開化させた―
商と周〔姬氏〕
図:黄帝から始まる「帝」の系譜[史記]
┌─玄囂─「蟜極」─
①黄帝 │
│ │
├─(姫姓)───┤
│ │
嫘祖 │
(黄帝正妃) │
└─昌意─②帝顓頊─
陳鋒氏の女[一妃]
│
├─放助(⑤帝堯):弟
│
「蟜極」─③帝嚳(高辛)
│
├─弃(姬氏)
│
(周本紀)│
姜原(有台氏)[元妃]
娵訾氏の女[二妃]
│
├──執手(④帝摯)
│
③帝嚳(高辛)
│
├──契
(殷本紀)│
簡狄[次妃]
┌─窮蝉─敬康─句望─橋午─瞽叟─⑥舜
│
②帝顓頊─┤
│
└─鯀─⑦禹
この五帝本紀を新釈漢文大系の作図に従い、
シナの祖とする「黄帝」からの系譜を考察する。
引用文の初めにある「黄帝より舜・禹に至るまで同姓なり」とある
「同姓」とは「姒氏」にして「シ氏」族であるのに対して、
商(殷)族は子氏、周族は姬氏とあり、
黄帝から禹までの族類とは別系の人々であることを明白にしている。
つまり、シナのほとんどの史書が「黄帝」を
商周の人々の元祖としているが、それは誤りとなる。
ちなみに「姬」字と「姫」字は別字である。
現在の状況ではあるが北京語においては「姬」字しかない。
これに対し日本では「姫」字のみが使われている。
紀元前1世紀の辞典『脱文解字』に早くも
「黄帝居姬水以爲姓」とあり、6世紀前半の「玉篇」もそれを引いて
「黄帝居姬水以爲姓」と同文を記す。
この「姬」字は図2(23頁)の通り、殷(商)時代亀甲に刻まれた
甲骨文字や青銅器に刻印された金文のうちにかなり多くみられる。
また「姬水」は現在「(氵+圣)河」と称される陝西省の内蒙古に
近い西北端の「姫(土+原)」を最北の水源とする水系で
甘粛省の東端慶陽あるいは平源周辺の水を集めて南方へ流れ、
長武で陝西省に入り、徐々に南東へ下って西安の北側で
渭河に合流する。
「(氵+圣)」は「姬」の代用字である。
「字通」がいう「𦣝」は「乳房」で金文にある
甲骨文字「」によって納得できる。
それに「女」字が付されており、正確には「女性(雌)」を表わし、
「胸乳」を表象したものである。
これを「キ」とするのはこの文字に依る。
また「姬氏」を「姫水」で解釈できる歴史的事実は、
周の族類が内蒙古・甘粛省から北流する黄河の向う
〔オルドス〕方面から入来してきた人々であるとすることによる。
さらにその北方アルタイ山脈の東山麓が故郷とみられる。
なぜならば、その蒙古地域に広がる砂漠を「ゴビ」というが、
この祖語は GAB で「胸」を表わすからである。
『史記』「周本紀」にいう周の元妃「姜原」の「姜」は
「雌(女)の羊」の語義で、彼等が本来「羊飼い」〔寒冷地帯型〕で
あったことを示す。
「周」字の甲骨文字は「甲骨文字」でこれは「胸当て」と解釈されている。
また周の表音は[zhou]でオルドスに散在する地名用語
「朔[shou]」「(月+生)[she]」と同様
SHAU で「雌羊を飼う」が語源と考えられる。
周の族類の本拠が(氵+圣)(姬)河辺より
北方にあったことは明らかである。
また「商」の本拠も渭河(水)の南側湖北省との境界一帯の
陝西省商県市を中心とする商洛郡が故郷であったとされる。
「商国」が興ったのはずっと東方の河南省の東端「商丘」であるが、
同表現は「商洛」の語義によっている。
「洛:ラク」は夏王朝に係わる人々の用語で「丘・山」であるし、
同地は高原地帯である。
『史記』「殷本紀」の始母「簡狄」の「狄」は「北狄」というように
北方から入来した族類で、商周とも北方から渭河流域に
渡来定住した人々であった。
図1 帝から始まる「帝」の系譜[史記]
図2 古代資料ににる「姫」「姬」
《参考》
ARPACHIYAH 1976
高床式神殿、牛頭、空白の布幕、幕と婦人、マルタ十字紋等
(アルパチア遺跡出土の碗形土器に描かれている)
牛頭を象った神社建築の棟飾部
本生図と踊子像のある石柱
Tell Arpachiyah (Iraq)
Tell Arpachiyah (Iraq)
ハラフ期の土器について
ハブール川
ハブール川(ハブル川、カブル川、Khabur、Habor
、Habur、Chabur、アラム語:ܚܒܘܪ, クルド語:Çemê Xabûr, アラビア語:نهر الخابور Bahr al-Chabur
ARPACHIYAH 1976
高床式神殿
牛頭を象った神社建築の棟飾部
神社のルーツ
鳥居のルーツ
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