2014年11月16日日曜日

商の語義(2)


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 《考古学&古代史の諸問題》 
 《参考:年表・資料》

 《課題》日本文明は中国文化の分派にあらず
     ―神のいる国の情義と神無き国の野蛮―

 ≪商の語義≫

 ショウ(シャウ) はかる たまう あきなう

 「会意」辛(しん)+内+口

 辛は把手のある大きな辛器で入墨に用いるもの。

 刑罰権を示す。

 内はこれを樹てる台座の形。

 その前に、神に祈る祝詞の器(「凵+一」さい)をおく。

 神に「商はか」ることを原義とする字である。

 遹(つい)の従うところの矞と似ており、

 矞は台座の上に矛(ほこ)を立て、祝詞をそえた形。

 遹は神威を奉じて巡察遹正(いつせい)を加えることをいう。

 商は殷王朝の正号。

 その都を卜辞に「大巴商」という。

 〔説文〕に「外よりして内を知るなり」という。

 すなわち商搉すること、推測の意とするが、

 神意を問うことを原義とする。

 商は古くは賞の意に用い、商の下に貝を加えた。

 (商+貝)はその略字であろう。

 賞は報償として与えられることが多く、また償の意となる。

 商をその義に用い、ついに商賣の意となる。

 商賣の意は最も後起の義である。

 ①はかる、神にはかる。

 ②賞の初文で、たまう、ほめる。

 ③あきなう、あきうど。

 ④除法、割算の答え。

 ⑤五音の一で、秋に配する。

 「古訓」

 〔和名抄〕商、商賣、師説、阿岐比斗(あきひと)

 〔名義抄〕商、アキヒト・ハカル・アキナフ・アキ

 「声系」

 〔説文〕に商声として商の下(商+貝)を収め、商の省声とする。

  金文の賞は商の下に貝(商+貝)を加えた字形である。

 「語形」

  商・(商+貝) sjiang は同声。

 〔説文〕に(商+貝)を「行賣なり」と商賣の意とする。

 「参考」

  商は殷王朝が滅んだのち、

  その民が離散して商賣となったする説があるが、

  商は殷の大号。

  もし蔑称とするならば、殷を用いるはずである。

  商は賞の初文。

  有償の行為が商賣となったとみるべきせあろう。

 ≪商の語義≫

 ショウ(シャウ) はかる たまう あきなう

 篆文、古文、籒文、甲骨文、金文

 「会意」辛(しん)と内と口に従う。

 辛は把手(とつて)のある大きな針器。

 入墨に用いるもので、刑罰権を示す。

 内の台座の形。

 口は(「凵+一」さい)で、祝祷(しゅくとう)を収める器の形。

 台座の上に辛を樹(た)て、その前に(「凵+一」さい)をおいて祈り、

 神意を問う意であるから、商(はかる)ことを原義とする。

 古代王朝としての商は、殷の正号で、

 その都は大邑商(だいゆうしょう)といった。

 商はその神政的な支配を示す国号であったと思われる。

 周が方形の彫盾(ちょうじゅん)に祝祷を加え、

 その支配権を示す字形であるのと同じ。

 〔説文〕に「外よりして内を知るなり」、すなわち商搉(しょうかく)、

 推測する意とするのは、字形解釈を誤る。

 上部の辛を章の省文として明らかの意、下の「内+口」(とつ)

 に内の意があるとするものであるが、

 卜文・金文の字形は、辛とその台座の形とを主とし、

 「内+口」形に従うものではない。

 商に商業・商賈(しょうこ)の意があるのは、亡殷の余裔(よえい)が、

 国亡(ほろ)んでのち行商に従ったからであるとする説もあるが、

 商には賞の意があり、

 代償・償讀(しょうとく)のために賞が行われるようになり、

 のちしのことが形式化して、

 商行為を意味するものとなったものと思われる。

 金文の〔「爫+口」鼎(こつてい)〕に、賠償の字に賞を用いており、

 商は神意をはかることを原義とし、

 そこから賞閲・商量の意が生まれ、

 のち賞・償の意より商賈・通商の意となったものであろう。

 賞賜に用いる字は、商の下に貝を加えた「商+貝」(しょう)が本字である。

 ≪参考≫

 商 - ウィクショナリー日本語版 - Wiktionary

 

 「商」へリンクしているページ

《参考》

 ARPACHIYAH 1976
 高床式神殿、牛頭、空白の布幕、幕と婦人、マルタ十字紋等
 (アルパチア遺跡出土の碗形土器に描かれている) 
  

 牛頭を象った神社建築の棟飾部

 本生図と踊子像のある石柱

 Tell Arpachiyah (Iraq)
 Tell Arpachiyah (Iraq)    
 ハラフ期の土器について
 ハブール川
 ハブール川(ハブル川、カブル川、Khabur、Habor
、Habur、Chabur、アラム語:ܚܒܘܪ, クルド語:Çemê Xabûr, アラビア語:نهر الخابور Bahr al-Chabur
 ARPACHIYAH 1976
 高床式神殿
 牛頭を象った神社建築の棟飾部
 神社のルーツ
 鳥居のルーツ

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